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現代日本の安全保障とマス・メディア13

第4章 1976年 旧・防衛計画の大綱における防衛力 海上自衛隊3

護衛艦群完成の締めくくりとしてイージス護衛艦DDG173「こんごう」を1番艦とするこんごう級イージス・システム搭載ミサイル護衛艦が1990年に起工し、1993年に竣工、就役した。

 

ガス・タービン推進、基準排水量7250トン、満載排水量9500トン、

 

兵装は、OTOメララ 127mm単装砲1門、艦隊防空RIM-66スタンダード艦対空ミサイル、RIM-156SM2艦対空ミサイル、Mk46搭載対潜ロケットをMk41垂直発射システム96セルに搭載、68式三連装短魚雷発射機2基にMk46魚雷を搭載、Mk141発射機にRGM-84ハープーン艦対艦ミサイルを8発搭載している。近接防御武器システムにはMk15ファランクス20mmバルカン機関砲近接防御武器システム2基があたる。

 

イージス護衛艦に搭載されているイージス・システムはソ連の圧倒的数量のミサイル攻撃から艦隊を守るために60年代から開発が始まったもので、1973年から試験が開始され、1978年に採用された。1983年就役のアメリカ海軍CG-47「タイコンデロガ」を1番艦とするタイコンデロガ級巡洋艦から搭載された。

 

イージス・システムのフェーズド・アレイ・レーダーは従来型レーダーより格段に能力が向上しており、探査距離、目標探査、さらに戦闘情報処理能力は従来艦の比ではないとされている。さらにMk41垂直発射システムにより、多目標同時攻撃が可能となっている。またこんごう級イージス護衛艦はアメリカ海軍DDG-51「アーレイ・バーク」を1番艦とするアーレイ・バーク級イージス駆逐艦と同様、ステルス(低発見性)構造的な船体を取り入れている。3番艦「みょうこう」によって護衛艦群は完成したが、さらに4番艦DDG176「ちょうかい」が建造され、4個護衛艦群すべてにイージス艦が配備されることとなった。

 

護衛艦に搭載される対潜哨戒ヘリコプターは当初、シコルスキー(三菱重工業でライセンス生産)HSS-2(SH-3シー・キング)であったが、1980年代後半に入って、シコルスキー(三菱重工業でライセンス生産)SH-60Jシー・ホーク対潜哨戒ヘリコプターに順次切り替えられ、対潜水艦戦能力、運用性の向上に努めている。

 

地方隊は10個隊とされ、横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊に置かれた。DEと称されるやや小型で、情報処理能力などが簡略化された地方隊専用の護衛艦や、護衛隊群の任を解かれた旧式の汎用護衛艦が任に当たっている。

 

最新のDEはDE229「あぶくま」を1番艦とするあぶくま級護衛艦の6隻である。1988年に起工、1989年に竣工、就役している。基準排水量2000トン、満載排水量2900トン、ディーゼル及びガス・タービン推進、兵装はOTOメララ 76mm単装砲1門、Mk112発射機にMk46魚雷搭載対潜ロケット8発、Mk141発射機にRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル8発、68式3連装魚雷発射機2基にMk46魚雷を搭載している。近接防御武器システムにはMk15ファランクス20mmバルカ機関砲近接防御武器システム1基を装備し、DEとしてはじめて対空レーダーを搭載し、防空能力を強化している。

 

それ以前のDEとしては、1979年に起工、1981年に竣工、就役したDE226「いしかり」を1番艦とするいしかり級護衛艦1隻、基準排水量1250トン、そして「いしかり」の改良型であるDE227「ゆうばり」を1番艦とするゆうばり級護衛艦2隻、基準排水量1450トンが1981年に起工、1983年に竣工している。ともにディーゼル、ガス・タービン推進で、OTOメララ 76mm単装砲1門、Mk141発射機にRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル8発、ボフォース4連装対潜ロケット1基というスペックである。またDE218「ちくご」を1番艦とするちくご級護衛艦が1971年に起工、1972年に竣工している。Mk112アスロック8連装発射機1基とOTOメララ 76mm単装砲を装備し、対潜能力に重きを置いている。

 

 

地方隊配備の護衛艦は、それ以外は旧式の汎用護衛艦DDで補われ、護衛隊群と地方隊の艦船をあわせて60隻体制と旧・防衛計画の大綱では定められている。