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現代日本の安全保障とマス・メディア25

第7章 東アジア各国の戦力

 

 

 

 

第1節 東アジア各国の戦力 アメリカ合衆国太平洋軍 1995年-2017年1

 

アメリカ合衆国軍は世界各地に展開しており、地域コマンドとして欧州軍、太平洋軍、中央軍、南方軍、北方軍があるが、

東アジアは太平洋軍(United States PAcific COMmand,U.S.PACOM)が受け持っている。

 

太平洋軍はハワイ州オアフ島のキャンプ・H・M・スミスで司令官は海軍大将である。西経92度から東経42度、北極から南極まで太平洋、インド洋、北極海を水域に持ち、地球の半分を責任地域とする。

 

アメリカはこの地域の日本(日米安全保障条約)、韓国(米韓相互防衛条約)、オーストラリア、ニュージーランド(ANZUS条約)、フィリピン(米比相互防衛条約)、タイ(フランス、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンとともに南東アジア共同条約)と条約を締結し、同盟国家としている。

 

アメリカ太平洋軍は傘下に太平洋艦隊(19万1000人)、太平洋陸軍(3万人)、太平洋海兵隊部隊(6万8000人)、太平洋空軍(4万5000人)を配下に置き、さらに地域統合軍として在日米軍(USFJ)、在韓米軍(USFK)、アラスカ軍、ハワイ陸軍、太平洋特殊作戦軍を隷下に置く。(注1)

 

 太平洋陸軍は、アラスカ軍(アラスカ州フォート・リチャードソン、現エルメンドーフ・リチャードソン統合基地)のもとに、合衆国陸軍第6歩兵師団第1旅団から改編された第172歩兵旅団(独立)「スノー・ホークス」(アラスカ州フォート・ウェインライト)3800人、M998ハマー高機動多目的装輪車両(HMMWV)シリーズを主装備とする軽歩兵部隊で、緊急展開能力を持っていた。傘下の3個連隊、歩兵3個大隊のもとにシコルスキーUH-60ブラック・ホーク汎用ヘリコプター、ボーイングCH-47チヌーク輸送ヘリコプターも有し、高機動力を生かした作戦が可能であった。第172歩兵旅団は、第25歩兵師団第1旅団戦闘団に改編された。

 

ハワイ州スコフィールド・バラックスには1万7000人の合衆国陸軍第25歩兵師団「トロピック・ライトニング」が駐留している。2006年までは第25歩兵師団(軽)という軽歩兵師団で、傘下に3個旅団を置いていた。

現在は傘下に4個旅団を置き、第1旅団戦闘団と第2旅団戦闘団は、ロッキードC-130ハーキュリーズ輸送機で輸送可能で緊急展開できるM1126ストライカー装輪装甲車を主装備とする「ストライカー旅団戦闘団」である。他の旅団戦闘団も軽武装の緊急展開部隊である。また、UH-60Lブラック・ホーク汎用ヘリコプターも保有しており、戦術機動力、戦略機動力も高い。(注1)

 

 韓国には合衆国陸軍第8軍がソウルに司令部を置き、傘下に第2歩兵師団「インディアン・ヘッド」(議政府キャンプ・レッドクラウド)、第6騎兵旅団(空中戦闘)、第17航空旅団などを置いていた。

 

主力である第2歩兵師団の第1旅団戦闘団はゼネラル・ダイナミクス(旧クライスラー・ディフェンス)M1A1HAエイブラムス戦車、ユナイテッド・ディフェンス(現・BAEシステムズ)M2A3ブラッドレー歩兵戦闘車を配備する重歩兵部隊である。

第2旅団戦闘団はUH-60Lブラック・ホーク汎用ヘリコプターによる空中強襲作戦部隊であったが、ワシントン州に駐留するルイス・マッコード統合基地に駐留するGDLSカナダM1126ストライカー歩兵輸送車を中心としたストライカー旅団戦闘団になった。

第3旅団戦闘団もワシントン州ルイス・マッコード統合基地に駐屯しているが、緊急展開可能なGDLSカナダM1126ストライカー装輪装甲歩兵輸送車を主装備とするストライカー旅団戦闘団で韓国その他に派遣できる態勢にある。

第2歩兵師団の第2旅団戦闘団、第3旅団戦闘団、第4旅団戦闘団はワシントン州ルイス・マッコード統合基地で第2歩兵師団の名称のまま第7歩兵師団に編入されることになった。

第6騎兵旅団はマクドネル・ダグラスAH-64Aアパッチ攻撃ヘリコプター、ボーイングAH-64Dロングボウ・アパッチ攻撃ヘリコプターを主装備とする部隊である。こうした部隊は、パナマ侵攻や湾岸戦争などあらゆる紛争で敵地上部隊に対し、圧倒的な損害を与えることができることが立証されている。

第17航空旅団はUH-60Lブラック・ホーク汎用ヘリコプター、CH-47Dチヌーク輸送ヘリコプターを配備し、空中機動作戦に活用される。

しかし2005年に第6騎兵旅団、第17航空旅団は解隊される。

韓国駐留の合衆国陸軍は、第8軍の隷下の第2歩兵師団第1旅団戦闘団、第1通信旅団、第35防空砲兵旅団、第65医療旅団、第501軍事情報旅団、第19遠征継戦コマンドが中心となった。

また、烏山基地には第160特殊戦航空連隊「ナイト・ストーカーズ」第4大隊が駐屯し、シコルスキーMH-60L/K特殊作戦ヘリコプター、マクドネル・ダグラスMH-6リトル・バード特殊作戦ヘリコプター/AH-6キラー・エッグ攻撃ヘリコプターを配備し、奇襲作戦や対テロ・ゲリラ・コマンド作戦に迅速に対応できるような態勢においている。(注2)