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現代日本の安全保障とマス・メディア52中国駆逐艦

第5節 東アジア各国の戦力 中国   1995年-2017年2

 
 

ロシアから輸入したソブレメンヌイ級艦隊防空ミサイル駆逐艦は1996年9月に購入、1999年12月に1番艦「杭州 HANGZHOU」、2001年1月に2番艦「福州 FUZHOU」が引き渡された。さらにその後1隻が配備された。

ソブレメンヌイ級艦隊防空ミサイル駆逐艦は

満載排水量7940トン、

蒸気タービン推進、

兵装は130mm連装砲2基、

SS-N-22艦対艦ミサイル8発、

SA-N-7艦隊防空用艦対空ミサイル発射機2基、

RBU-1000 6連装対潜ロケット発射機2基、

533mm連装魚雷発射管、

30mm近接防御武器システム4基である。

搭載航空機はカモフKa-28哨戒ヘリコプターを2機である。

SS-N-22艦対艦ミサイル(NATOコード:サンバーン)はマッハ2の速度で超低空をS字状に飛来するミサイルで、発見、迎撃することが非常に困難である。

また、SA-N-7艦対空ミサイルによって本格的艦隊防空能力を保持するにいたった。

しかし、基本設計が1970年代後半であり、情報処理能力、防空能力、電子戦能力、ステルス性、各種センサーは西側陣営の最新鋭艦に比べ劣っているようである。

 

 

 

 052B型駆逐艦の1番艦「広州 GUANGZHOU」は2002年6月に起工、2003年3月に進水、2004年7月に就役した。2番艦の「武漢 WUHAN」も2004年に就役している。

052B型駆逐艦は

満載排水量6500トン、

ディーゼル・ガスタービン推進、

100mm単装砲1基、

SA-N-12艦対空ミサイル発射機2基、

YJ-83艦対艦ミサイル16発、

30mm近接防御武器システム2基、

324mm3連装短魚雷発射管2基、

対潜ロケット発射機4基、

搭載航空機はハルビンZ-9Aヘリコプター1機である。

ガス・タービンはウクライナ製である。ステルス性を意識した船体であるが、その他設計は保守的で電子装備も古いままである。(注2)

 

 

 

 052C型駆逐艦の1番艦「蘭州 LANZHOU」は2002年7月起工、2003年4月進水、2004年に就役している。2番艦の「海口 HAIKOU」は2005年に就役している。

052C型の満載排水量は6500トン、

ディーゼル・ガスタービン推進、

100mm単装砲1基、

HQ-9艦対空ミサイル用垂直発射システム48セル、

YJ-83艦対艦ミサイル8発、

30mm近接防御武器システム2基、

324mm3連装短魚雷発射管2基で、

搭載航空機はハルビンZ-9A哨戒ヘリコプター2機である。

フェーズド・アレイ・レーダー4基を装備し、イージス・システムを意識した先進的な装備である。(注3)

 

 

 052D型駆逐艦の1番艦「昆明 KUMING」は2014年3月に就役し、7隻が建造中である。

052D型の満載排水量は7500トン、

ディーゼル・ガスタービン推進、

兵装は130mm単装砲1基、

HQ-9艦対空ミサイル用垂直発射ミサイル64セル、

艦対艦ミサイル用垂直発射システム、

HQ-10近接防御艦対空ミサイル発射機1基、

30mm機関砲近接防御武器システム1基、

324mm3連装短魚雷発射管2機である。

搭載航空機はハルビンZ―9A哨戒ヘリコプター2機である。

フェーズド・アレイ・レーダーの形状が052C型と変わっていて、性能が向上したと思われる。2015年から大量に就役する予定である。

 

 

 旅州型駆逐艦は、1番艦「瀋陽」は2006年10月就役、

満載排水量7112トン、

SA-N-20艦対空ミサイル8連装回転式垂直発射システム6基、

YJ-83艦対艦ミサイル4連装発射筒2基、

100mm単装砲1基、

30mm近接防御武器システム2基、324mm3連装短魚雷発射管2基を装備する。2番艦「石家荘」は2007年3月に就役している。(注4)

 

 

 旅海 LUHAI級駆逐艦はいまのところ1隻のみである。1999年就役、

満載排水量6000トン、

ディーゼル・ガスタービン推進、

兵装は100mm連装砲1基、

37mm連装機銃4基、

YJ-83艦対艦ミサイル16発、

短距離艦対空ミサイル8発、

3連装魚雷発射管2基で、

搭載航空機はハルビンZ-9Aヘリコプター2機である。

ステルス性を考慮した船体となっている。船体の大きさの割には搭載兵器が多いという共産国の伝統を引き継いでいる。(注5)

 
 

 

 ルーフ- LUHU級駆逐艦は天安門事件前に計画された艦で、西側陣営が中国に幻影を見ていた時期であるため多くの西側陣営の技術が導入されている。

ガス・タービンはアメリカのゼネラル・エレクトリックのベスト・セラー商品であるLM2500で、

短距離艦対空ミサイルHQ-7はフランスのクロタル・ミサイルをライセンス生産したものである。

現在のところ2隻が就役している。

1994年就役、

満載排水量4600トン、

ディーゼル・ガスタービン推進、

HQ-7艦対空ミサイル8発、

3連装魚雷発射管2基、

搭載航空機はハルビンZ-9Aヘリコプター2機である。(注6)

 
 

 

 ルーター LUDA級駆逐艦は中国初の国産駆逐艦で、人民解放軍海軍の主力で16隻が就役している。1971年から1991年までの長きにわたって建造され続け、そのためバリエーションが多くある。

満載排水量3670トン、

蒸気タービン推進、

兵装は130mm連装砲2基、

57mm連装砲2基、

25mm連装機銃4基、

HY-2艦対艦ミサイル6発、

HQ-7短距離艦対空ミサイル8発で、

搭載航空機はハルビンZhi-9Aヘリコプター2機である。

排水量に対して兵装が多く、バランスが悪いと思われる。また、中国国産とはいえ旧ソ連艦艇のコピーで、1番艦就役が1971年という古さからも、戦力としては低いものとなっている。現在、退役が始まっているものと思われる(注7)