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現代日本の安全保障とマス・メディア55中国海軍航空

第5節 東アジア各国の戦力 中国   1995年-2017年5

 

空母「遼寧」は2012年9月に就役した。

満載排水量59439トン、

蒸気タービン推進、

兵装はHQ-10近接防御艦対空ミサイル18連装発射機4基、

30mm機関砲近接防御武器システム2基、

RBU2000 12連装対潜ロケット発射機2基、

搭載航空機は固定翼機18機である。

 

 

 中国人民解放軍海軍の航空部隊は戦闘機、攻撃機が主力であり、日本のように対潜哨戒機を重視している国とは傾向が違う。

 

 

最新鋭の装備は西側陣営のF-15イーグル戦闘機に対抗するために旧ソ連が開発したスホーイSu-27戦闘機(初飛行1981年、自重17700kg、推力122,6kN×2、注19)

で、高推力エンジンと高い運動性能でレーダーも高出力で優秀なものを搭載している。

 

 

また、スホーイSu-27戦闘機の中国向け発展型スホーイSu-30MKK戦闘爆撃機、さらに発展させたスホーイSu-30MK2戦闘爆撃機の導入も始まっている。

あわせて100機ほど調達している。

 

また中国がロシアに無断でSu-27戦闘機をコピー生産した殲撃11BH J-11BH戦闘機、殲撃16 J-16戦闘機も配備され始めた。

 

 

 空母「遼寧」に搭載する戦闘機として、Su-27戦闘機の艦載機版Su-33戦闘機をウクライナから導入、Su-33戦闘機を模倣研究した中国国産版Su-33戦闘機である殲撃15 J-15戦闘機を開発、配備した。

 
 

 

1998年から人民解放軍海軍航空隊への配備が始まったのがJH-7戦闘攻撃機で、C-801空対艦ミサイル2発搭載可能である。(注20)

 

 

 今後、勢力が減退していく航空機もある。殲撃8Ⅱ J-8Ⅱ(F-8Ⅱ)戦闘機は1990年に配備が始まった戦闘機である。天安門事件前の米中蜜月時代に「ピース・パール」計画として、グラマン、リットン、ウェスティングハウス・エレクトリックなどが開発に関与し、F-16A/Bファイティング・ファルコン戦闘機が搭載しているAN/APG-66レーダー火器管制装置、慣性航法装置、その他アヴィオニクスなどアメリカ製を導入する予定であったが、天安門事件によって頓挫している。初飛行は1994年と新しいが、ベースとなった殲撃8 J-8(F-8)戦闘機が新しいものでないために運動性能は良いものではないと思われる。自重は14300kg、推力は65,9kN×2である。(注21)

 

 

 殲撃8 J-8(F-8)戦闘機(自重15000kg、推力59,82kN×1)も海軍航空隊は保有しているが15機しか保有しておらず、今後の増備も少数にとどまると予想される(注22)。

 
 

 

殲撃8戦闘機のベースとなった殲撃7 J-7(F-7)戦闘機(自重5275kg、推力59,82kN×1)

も老朽化が進み、100機程度まで保有数が低下している(注23)

 

 

数の上で主力となっているのは旧ソ連のミコヤンMiG-19戦闘機/殲撃6 J-6(F-6)戦闘機で320機保有しているが、あまりにも古く空戦では活躍できず、対艦攻撃支援などに限られるだろう。

 

 

またミコヤンMiG-19戦闘機/殲撃6 J-6戦闘機を改造した強撃5 Q-5(A-5)攻撃機を93機保有している。

空戦ではなく対艦攻撃に重きを置いており、ある程度の実用性は認められる。(注24)

 
 

 

 爆撃機はイリューシンIl-28爆撃機をコピーしたH-5爆撃機が50機、ツポレフTu-16爆撃機をコピーしたH-6爆撃機が51機ある。(注25)

 

 

 人民解放軍海軍航空隊の航空機による対潜哨戒の中心は艦載ヘリコプターで、フランスのアエロスパシアル(現・ユーロコプター)のドーファン2の中国国内ライセンス生産品であるハルビンZ-9Aヘリコプターと、ロシアから輸入するカモフKa-28ヘリコプターが主力であり、今後とも両方が増備されていく模様である。