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現代日本の安全保障とマス・メディア66南シナ海

第3節 日本の危機 南シナ海

 

 

 

南シナ海での近年の戦争、紛争は、

 

中国とベトナムの西沙諸島(パラセル諸島)での戦争(1974年1月)、

 

中越戦争(1979年2月)、

 

南沙諸島(スプラトリー諸島)での中国とベトナムの戦争(1988年3月)、

 

ナトゥナ諸島での中国とマレーシアの係争、

 

南沙諸島・ミスチーフ礁での中国とフィリピンの戦争(1995年2月)

 

などがあり、中国と東南アジア諸国との対立は深刻である。

 

さらに南シナ海では強力な武装の残忍な海賊集団の存在、地形的な面からテロリストによる襲撃が容易など、危険地帯であり、日本のシー・レーンは脆弱である。

 

 

南シナ海には石油や天然ガスなどが埋蔵されていることが確実視されており、さらに海上交通の要衝であるため、この地域の実効支配は非常に重要である。

 

そのなかで、中国のこの地域での実効支配強化のための軍事力の強化には目に余るものがある。

 

中国が実効支配しているミスチーフ礁(美済礁)、ジョンソン・サウス礁(赤爪礁)、ヒューズ礁(東門礁)、スビ礁(渚碧礁)、クアルテロン礁(華陽礁)、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)、ガベン礁(南薫礁)における岩礁、暗礁(低潮高地)を違法に埋立て、滑走路と航空基地、港湾、潜水艦基地を建設し、戦闘機など軍用機と地対空ミサイルを配備し、周辺諸国を威圧している。

 

 

 南シナ海においても中国は「領海法」を適用しており、この海域に点在する島々の武力奪取、実効支配を進めており、現在も中国とベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシアとは一触即発の緊迫した状況が続いている。

 

 2001年4月1日には合衆国海軍のEP-3E電子偵察機が中国人民解放軍空軍の殲撃8Ⅱ戦闘機の挑発によって接触し、2009年3月には合衆国海軍の音響測定艦インペッカブルを公海上で進路妨害し、同年4月にも公海上の合衆国海軍の音響測定艦ヴィクトリアスに対して中国漁船が妨害危険行為を行った。

 

 ベトナムはミコヤンMIG-29戦闘機、フィリピンは昼間限定のノースロップF-5Aフリーダム・ファイターを極少数、マレーシアはボーイングF/A―18ホーネット戦闘攻撃機とスホーイSu―27戦闘機、インドネシアはロッキード・マーティンF-16ファイティング・ファルコン戦闘機をそれぞれ少数保有しているが、海軍力は沿岸警備程度で総じて弱体であり、中国との紛争が生じやすい状況となっている。