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現代日本の安全保障とマス・メディア84自衛隊の特殊部隊

第3節  自衛隊の対テロ作戦 1995年-2016年

 

東西冷戦時代にもゲリラ・コマンドの危機は存在していたのだが、

ゲリラ・コマンド対処には治安の要素があるため警察庁の反対や、自衛隊の活動に対してのマス・メディア、世論、政治家の反対があるため、自衛隊のゲリラ・コマンド対処は控えられた。

 

しかし、ソ連が崩壊し、機甲部隊の衝突の可能性が低くなったため、相対的にゲリラ・コマンド対処の比重は高まった。

 

また、1992年からはじまった北朝鮮による大量破壊兵器保有に対する制裁問題で、北朝鮮の暴発・崩壊の可能性が高まり、世界有数のゲリラ戦・テロリズム能力を有する北朝鮮の脅威が切迫したものとなった。

 

以前からソ連の日本進攻時に真っ先に投入されるソ連軍参謀総局特殊任務部隊(スペツナズ)を考慮はしていたが、こうした経緯で防衛庁、自衛隊のなかでもゲリラ・コマンド対処の重要性が再認識された。

 

陸上自衛隊は第一空挺団内にゲリラ・コマンド対処研究班を設立、合衆国陸軍特殊作戦コマンドの合衆国陸軍特殊部隊コマンドの特殊部隊群(グリーン・ベレー)や第1特殊部隊作戦分遣隊D(デルタ・フォース)に隊員を派遣し、運用、作戦や訓練ノウハウを学んだ。

 

そして空挺レンジャー資格保有者、部隊レンジャー有資格者から隊員を選抜、300人(戦闘部隊200人、支援部隊100人)からなるゲリラ・コマンド対処特殊部隊「特殊作戦群」の創設を決定し、2004年3月に発足した。

 

海上自衛隊においては、1999年3月の北朝鮮工作船事件をきっかけに、対テロ特殊部隊「特別警備隊」を設立した。

海上自衛隊特別警備隊は部隊の訓練をアメリカ海軍特殊部隊SEALやDEVGRU(合衆国海軍特殊戦開発群、旧称SEAL TEAM6)に要請したが断られたため、かわってイギリス海軍特殊部隊SBS(特殊舟艇部隊)の協力を得て訓練された70人の部隊である。

 

航空自衛隊も基地を敵ゲリラ・コマンド部隊から防衛するための対ゲリラ・コマンド特殊部隊「基地防衛教導隊」を設立した。