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現代日本の安全保障とマス・メディア89小泉政権1

第1章 2000年に入ってからの情勢

 

 第1節 

ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領と小泉純一郎首相の誕生と、「アル・カ      イダ」によるテロの発生

 

アメリカ合衆国では2000年の大統領選挙で、民主党の第42代大統領ウィリアム・ジェファーソン・クリントン(ビル・クリントン)に次いで、第43代大統領に共和党のジョージ・ウォーカー・ブッシュが選出された。

 

民主党大統領候補の現職副大統領アル・ゴアとは激戦であった。アル・ゴアの外交ブレーンはズビグニュー・ブレジンスキーで、ブレジンスキーは97年の『フォーリン・アフェアーズ』において日本を「保護国」(属国)と定義し、中国を北大西洋条約機構(NATO)と同等のパートナーとして扱うと述べるなど、日本にとって受け入れがたい政策を掲げていた。そのため、ジョージ・ウォーカー・ブッシュが大統領に選出されたことは日本にとって朗報であった。

 

 ジョージ・ウォーカー・ブッシュは国務副長官にリチャード・アーミテージ(元国防次官補)、国防副長官にポール・ウォルフォウィッツ(元国防次官)を指名した。リチャード・アーミテージとポール・ウォルフォウィッツは「アーミテージ・リポート」において、日本をイギリスと同等に扱うよう提言しており、日本の国際的地位向上につながることが有望視された。

 

 国務長官には元合衆国軍統合参謀本部議長で保守穏健派のコリン・パウエルが、国防長官にはネオ・コン派で、ジェラルド・フォード政権の国防長官、ドナルド・ラムズフェルドが就任した。国家安全保障担当大統領補佐官にはスタンフォード大学教授のコンドリーザ・ライスが就任した。

 

 日本では第86代内閣総理大臣・森喜郎に代わり、第87代内閣総理大臣に小泉純一郎が選出された。