· 

現代日本の安全保障とマス・メディア247五十嵐武士・東大教授

五十嵐武士 東京大学教授の主張

 

 

 

 東京大学教授の五十嵐武士氏は

1994年(平成6年)の雑誌「世界」1994年6月号「日本は二十一世紀をどのようにいきるのか 『平和国家パートⅡ』の提言」において、

日本の進むべき道は「普通の国」ではない、「平和国家」を主張している。(注13)

 

 

 

 

1995年(平成7年)の雑誌「Ronza」1995年12月号で、

日本の国家的アイデンティティーとして、「平和国家」を保持していくことが必要と主張している。

その「平和国家」とは、

 

「外国に軍事的脅威を与えない方針のもとで、攻撃的兵器を持たず軽武装にとどめる原則を貫いてきたことは、明らかに新しい国家のタイプの実現を意味した。」(注194-2)、

 

「経済大国でありながら軍事大国になるのを今後とも避けることができるとすれば、国際政治上の欧米的常識を打ち破ることができる。」(注14)

 

と、述べている。

 

また、「唯一の被爆国」として、

 

「原水爆禁止運動を展開することは、日本が人類の存続に寄与する本質的使命であろう。」(注15)

 

と、述べている。

こうした日本を「地球的平和国家」と定義し、非核三原則を強化、アメリカの核の傘に頼らない方針を採るよう求めている。国連平和維持活動には、自衛隊とは別組織による参加を主張している。

 

 

 

 これら主張は、「平和国家」日本ゆえの損失、軍事力なさゆえの外交力の低さを無視している。理想に過ぎない「原水爆禁止運動」に重きを置くという主張は、浮世離れした発想である。

東アジア情勢をかんがえると、欧米的な国際政治上の常識は打ち破れそうにない。