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横溝正史シリーズ 悪魔が来りて笛を吹く 3

 

悪魔が笛を吹いているイラスト、なんとも味のある悪魔の絵である。
気味悪さと滑稽さを醸しだしている。

椿英輔が作曲したとされている「悪魔が来りて笛を吹く」という曲も良くできている。沖雅也が演じる三島東太郎の行動、椿・新宮、両家の因縁を感じさせる。

長門裕之が演じる新宮利彦、よくもああまで狂った人間を思いつくものである。しかし長門裕之の演じる人間のクズは天下一品である。近親相姦、嫌味、嘘、策略とあの表情が直結している様は長門裕之の陰にぴったりである。蒲生警視のような人情派もいいがこういう外道もいい。

加藤嘉は玉虫公丸を演じているが、こういう嫌な役も似合う。タキシードを着て像で殴られる時の表情が間抜けでいい。中央流砂でのフィクサー役も生々しい悪役であった。不毛地帯での原田航空幕僚長は、モデルとなった源田航空幕僚長に結構似ていて笑えた。

草笛光子は今回の役や、映画「獄門島」での役のような、どこか浮世離れしたところも結構はまっている。