現代日本の安全保障とマス・メディア275政治部記者1995

政治部記者の安全保障観

 

 

 

雑誌「文芸春秋」1996年1月号、「現役政治部記者107人が選んだ 21世紀のリーダーは誰か」(注39)では、

 

鳩山由紀夫、船田元、谷垣貞一、加藤紘一

 

が圧倒的上位に位置している。

 

選出した現役政治部記者は、

 

読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞、東京新聞、共同通信、時事通信の8社である。(注39)

 

 

鳩山氏は「駐留なき安保」と国際協力部隊そして盟友は「センター・レフト」の菅直人氏である。

 

加藤氏は60年安保闘争で日米安全保障条約に反対するデモに積極的に参加した東京大学の左翼学生で、「日米中は正三角形の関係」を主張する、すなわち日米の中国への擦り寄り、谷垣氏は加藤氏の腹心である。

 

船田氏は憲法改正による防衛力の強化を目指していると思われる。

 

この結果は、日本のマス・メディアを反映したものともいえる。

 

 

 

主流派は政治思想的にはリベラル左派思想、防衛には消極的、国際協力は積極的、すなわち国家意識、国家主権意識、民族意識・国民意識の低い政治家というものである。      

 

 

もう一方は、中道・保守穏健思想で、防衛に力をいれる、というものである。

 

 

日本には保守思想や右派思想を支持するジャーナリスト、マス・メディアは少なく、左に偏った状態であり、このような状態では国民がまともな判断を下すのは困難で、

 

ジャーナリスト、マス・メディアの思想の押し付け、バランス感覚の無さと意識の低さは国家、国民に甚大な被害を与えている。

 

このことは何時の日にか歴史的に総括されなければならないだろう。