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公開から35年「首都消失」2 岸部一徳ナチュラル京都弁で出世ぼんちおさむ俳優開眼

東京都心を中心に、半径25km、高さ2000mの謎の雲が発生する。その雲は100兆ボルトの素粒子エネルギーを放出し、外部からの侵入を拒絶する。

 

陸上自衛隊の連絡偵察機LR-1が偵察に向かい、雲に突入したところ爆発炎上する。

 

雲の中に閉じ込められた人間は約2000万人、国会開会中で政治家、官僚とも連絡が取れない。

 

謎の雲は異常物体Oと名付けられる。

 

北斗電機技術開発部長・朝倉、筑波大学教授・大田原、航空自衛隊二等空佐・佐久間らは異常物体Oから2000万の人間を救うべく調査する。

 

大阪府知事・小室、元代議士・中田、外務省官僚・堀江らは政府中枢機能を失った日本を救うべく臨時代行政府の樹立に奔走する。

 

関西放送報道部のディレクター・田宮とキャスター・小出まり子は取材に成功する。

 

 

 

 

 

 

梅田にある東宝の梅田劇場で鑑賞。

 

三菱自動車の協力。北斗電機の車は三菱デボネア、三菱パジェロ、三菱デリカで、三菱ギャランΣのパトカーが先導する。

 

田宮の愛車も三菱ジープである。

 

小田原まで航空自衛隊二等空佐・佐久間を迎えに来た航空自衛隊の黒塗りの車は79年型トヨタ・クラウンで古く、三菱車ではない。黒の三菱デボネアが用意できなかった。

 

SCMトラックは三菱ふそうファイターだが、爆発炎上シーンはFKシリーズにすり替わっている。

 

渡瀬恒彦は「ワン、ツー、スリー、アドヴァンス!」と叫び、岸部一徳は「パワー、オンッ!、パワー、アップ!」と叫ぶ。

 

SCMトラック・オペレーターは北斗電機研究所研究員役の俳優が担当するが、SCMトラック運転手は陸上自衛隊隊員役で車輌担当スタッフが運転している。

 

パンフレットでは、渡瀬恒彦、夏八木勲、山下真司、名取裕子という主役陣、丹波哲郎、竜雷太という大御所陣、当時人気があったザ・ぼんち・おさむ、石野陽子とともに、岸部一徳が顔写真あり、役紹介、俳優紹介ありで登場。岸部と言えばシローの時代、ようやく兄の岸部一徳も超大作映画の主要キャストとして扱われ、注目されてくる。

 

岸部一徳が京都弁なので、岸部一徳史上もっともナチュラルな演技である。

 

キチガイ姉妹・キチガイ親子で有名な海老名美どりがキレる叫ぶ怒鳴る役で出演、素のキチガイのままである。

 

関西テレビ製作だが、テレビ局として関西放送が登場、駿河テレビというのも出てくる。駿河テレビの中継車は古臭い日産シビリアンである。

 

激怒する山下真司がふざけている盲人を殴る。ダサい歌を歌い続ける盲人。

 

関西放送報道局長を演じる財津一郎はスキンヘッドだった。

 

関西放送アナウンサー毛利は関西テレビアナウンサーの毛利八郎が演じている。

 

航空自衛隊二等空佐・佐久間を演じる夏八木勲。航空自衛隊の制服が似合う。超大作に欠かせない夏八木勲。

 

筑波大学教授・大田原を演じる大滝秀治が自分のことをおじさんと言うが、おじいちゃんである。

 

バブル期の超大作なので史上最大の作戦の編曲も担当した世界的映画音楽家のモーリス・ジャールが音楽を担当。壮大で繊細な音楽を作る。

 

丹波哲郎の息子・丹波義隆、丹波哲郎の弟子・宮内洋が出演、丹波哲郎のバーター出演である。

 

舛田利雄監督が育てた俳優・苅谷俊介が台風にこだわる男として出演。石原プロ退社後は稲川淳二たけし軍団を小豆餡の入った水槽に投げ入れるバラエティ番組などにも出演していた。

 

首都消失は石原プロ日本テレビ「大都会PART3」に出演した星正人の引退作である。

 

CMでは雷でガスタンクが爆発、住宅が誘爆していくシーンが使われ、とんでもない特撮超大作映画として売っていた。

 

アメリカ海軍EP-3Eの模型は縮尺の違う二種類の模型が用意された。

 

アメリカ海軍と防衛庁の協力で本物のEP-3E、V-107が出てくる。

 

冒頭の逃げ惑う人々のシーンは港北ニュータウンで撮影されたが、撮影準備の際、住民から、「こんな所撮影しても何も面白いもの無いですよ。」と言われた。