日本の国家安全保障90年代 21

海上自衛隊 1995年 新・防衛計画の大綱における防衛体制1

 

 

 

 

新・防衛計画の大綱でも、シー・レーン防衛、機動運用に当たる4個護衛隊群は維持された。

 

このあいだにイージス護衛艦4番艦DDG176「ちょうかい」が竣工し、4個護衛隊群すべてにイージス艦が配備され、艦隊防空は飛躍的に高く保たれることとなった。

 

 

また新型汎用護衛艦DD101「むらさめ」を1番艦とする

 

むらさめ級汎用護衛艦

 

の導入がはじまった。

 

兵装は、

 

Mk41垂直発射システム(Mk46魚雷搭載アスロック16発)、

 

68式三連装短魚雷発射管2基(Mk46魚雷、97式魚雷など6発)、

 

OTOメララ 76mmコンパクト砲1門、

 

90式艦対艦ミサイル8発、

 

Mk48垂直発射システム16セル(RIM-7シー・スパロー短距離艦対空ミサイル16発またはRIM-162発展型シー・スパロー短距離艦対空ミサイル32発)、

 

Mk15ファランクス20mmバルカン機関砲近接防御システム2基、

 

である。

 

射撃統制装置はフェーズド・アレイ・レーダー型の射撃統制装置3型(FCS-3)は搭載されず、従来型の射撃統制装置2型31(FCS-2-31)という改良型にとどまった。

 

また、こんごう級護衛艦と同様にステルス性を意識した船型を採用しているが、傾斜角はそれほどではなくステルス性は限定的なものであると思われる。

 

搭載ヘリコプターはSH-60Jシー・ホーク対潜哨戒ヘリコプターである。

 

2002年までに9隻が導入され、1982年に導入の始まった汎用護衛艦はつゆき級護衛艦の大部分を地方隊へ追いやった。

 

 

 地方隊は10個隊から7個隊へと30%削減された。そのぶん、地方隊の装備・能力は向上し、数的削減を質的向上で補ったかたちである。

 

 

 作戦用航空機は旧・防衛計画の大綱の220機、陸上哨戒機部隊16個隊から新・防衛計画の大綱では170機、13個隊へと大幅に削減された。

 

航空機の新規導入は旧式機の代替にともなうものだけであったから能力的にも削減である。

 

ロシアの不安定さ、中国人民解放軍海軍の増強を考えると問題である。

 

 

 

 

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