第7章 東アジア各国の戦力
第1節 東アジア各国の戦力 アメリカ合衆国太平洋軍 1990年代 1
アメリカ合衆国軍は世界各地に展開しており、地域コマンドとして
欧州軍、
太平洋軍、
中央軍、
南方軍、
があった。
90年代の東アジアは太平洋軍(United States PAcific COMmand,U.S.PACOM)が受け持っている。
アメリカはこの地域の日本、韓国、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、タイと条約を締結し、同盟国家としている。
アメリカ太平洋軍は傘下に太平洋艦隊(19万1000人)、太平洋陸軍(3万人)、太平洋海兵隊部隊(6万8000人)、太平洋空軍(4万5000人)があり、さらに地域統合軍として在日米軍(USFJ)、在韓米軍(USFK)、アラスカ軍、ハワイ陸軍、太平洋特殊作戦軍がある。
合衆国陸軍第6歩兵師団第1旅団から改編された第172歩兵旅団(独立)「スノー・ホークス」(アラスカ州フォート・ウェインライト)は、
定員3800人で、
M998ハマー高機動多目的装輪車両(HMMWV)シリーズ
を主装備とする軽歩兵部隊であった。
緊急展開能力があり、
シコルスキーUH-60A/Lブラック・ホーク汎用ヘリコプター、
ボーイングCH-47Dチヌーク輸送ヘリコプター
も有し、高機動力を生かした作戦が可能であった。
ハワイ州スコフィールド・バラックスには
定員1万7000人の
合衆国陸軍第25歩兵師団(軽)「トロピック・ライトニング」
が駐留している。
3個旅団編成であった。
また、UH-60Lブラック・ホーク汎用ヘリコプターも保有している。
韓国には
合衆国陸軍第8軍がソウルに司令部を置き、
傘下に第2歩兵師団「インディアン・ヘッド」(議政府キャンプ・レッドクラウド)、
第6騎兵旅団、
第17航空旅団
などを置いていた。
主力である
第2歩兵師団第1旅団戦闘団は
ゼネラル・ダイナミクス(旧クライスラー・ディフェンス)M1A1HAエイブラムス戦車、
ユナイテッド・ディフェンス(現・BAEシステムズ)M2A3ブラッドレー歩兵戦闘車
を配備する機械化歩兵部隊である。
第2歩兵師団第2旅団戦闘団は
UH-60Lブラック・ホークA/L汎用ヘリコプターによるヘリボーン作戦部隊であった。
第6騎兵旅団は
マクドネル・ダグラスAH-64Aアパッチ攻撃ヘリコプター、
ボーイングAH-64Dロングボウ・アパッチ攻撃ヘリコプター
を主装備とする部隊である。
第17航空旅団には
UH-60Lブラック・ホーク汎用ヘリコプター、
CH-47Dチヌーク輸送ヘリコプター
が配備された。
また、烏山基地には
第160特殊戦航空連隊「ナイト・ストーカーズ」第4大隊が駐屯し、
シコルスキーMH-60L/K特殊作戦ヘリコプター、
マクドネル・ダグラスMH-6リトル・バード特殊作戦ヘリコプター、
マクドネル・ダグラスAH-6キラー・エッグ攻撃ヘリコプターを配備し、
対テロ・ゲリラ・コマンド作戦に迅速に対応できるような態勢においていた。
日本にはキャンプ座間に
合衆国陸軍第9軍から改編された合衆国陸軍第9戦域陸軍地域コマンド司令部が置かれた。
あとは補助部隊で太平洋陸軍の実戦部隊は置かれていなかった。
しかし、特殊作戦軍(United States Special OperationCOMmand U.S.SOCOM)のもとにおかれる
第1特殊部隊群第1大隊(グリーン・ベレー)
が沖縄県トリイ・ステイションに駐留している。
また第1特殊部隊群作戦分遣隊D(デルタ・フォース、400人、ノース・キャロライナ州フォート・ブラッグ)、
第1特殊部隊群第2大隊(1stSFG、グリーン・ベレー、司令部:ワシントン州フォート・ルイス、現ワシントン州ルイス・マッコード統合基地)
第1特殊部隊群第3大隊(1stSFG、グリーン・ベレー、司令部:ワシントン州フォート・ルイス、現ワシントン州ルイス・マッコード統合基地)
第19特殊部隊群(19thSFG、グリーン・ベレー、州兵)
合衆国海軍SEAL TEAM1、SEAL TEAM5
が特殊作戦に投入される。
第75レンジャー連隊(3個大隊2300人、司令部:ジョージア州フォート・ベニング)
も緊急展開部隊として投入される。
第75レンジャー連隊には、
第75レンジャー連隊第1大隊(ワシントン州フォート・ルイス、現ワシントン州ルイス・マッコード統合基地)、
第75レンジャー連隊第2大隊(ジョージア州ハンター陸軍飛行場)、
第75レンジャー連隊第3大隊(ジョージア州フォート・ベニング)
がある。
第18空挺軍団(ノース・キャロライナ州フォート・ブラッグ)のもとにおかれる
第82空挺師団「オール・アメリカン」(1万6千人、ノース・キャロライナ州フォート・ブラッグ)
と、
第101空挺師団(空中強襲)「スクリーミング・イーグルス」(1万6千人、ケンタッキー州フォート・キャンベル)、
第10山岳師団(ニュー・ヨーク州フォート・ドラム)
も大規模な緊急展開部隊として派遣される。
これらは第160特殊作戦航空連隊などとともに、空挺作戦、ヘリ・ボーン作戦を展開する。
さらに第3歩兵師団(機械化)「ロック・オブ・ザ・マルヌ」(ジョージア州フォート・スチュアート)が控えている。
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