第6節 東アジア各国の戦力 ロシア軍 1990年代 1
ロシア軍は
極東地域に、
シベリア軍管区、極東軍管区
を置き、
地上軍11万人を配備していた。
ハバロフスクに3個師団、
ソビエツカヤガワニに4個師団、
ペトロハヴロフスクに1個師団、
サハリンに1個師団、
日本の北方領土に1個旅団を配置しており、
さらにウラジオストクに海軍歩兵師団を1個師団配置している。
主な装備は
T-95戦車、
T-80戦車、
T-72戦車、
各種歩兵戦闘車、各種装甲兵員輸送車で、機械化、機甲化が進んでいる。
ロシア海軍は
兵力17万5000人で、
北洋艦隊、
バルチック艦隊、
黒海艦隊、
太平洋艦隊
の4個艦隊を有した。
太平洋艦隊は北洋艦隊とともに主力艦隊である。
空母アドミラル・グズネツォフ
は満載排水量59439トン、
蒸気タービン推進、
兵装は
SA-N-9短距離艦対空ミサイル32発、
SS-N-19艦対艦ミサイル12基、
CADS-N-1近接防御システム8基、
30mm近接防御武器システム6基、
RBU12000 10連装対潜ロケット発射機2基で、
艦載航空機は
スホーイSu-33戦闘機、
ミコヤンMiG-29K/KUB戦闘機、
スホーイSu-25UTG練習機
など固定翼機22機、
カモフKa-31早期警戒ヘリコプターなどヘリコプター17機
である。
キーロフ級原子力巡洋艦は
満載排水量24690トン、
原子力蒸気タービン推進、
兵装は
SA-N-20艦対空ミサイル96発、
SA-N-9短距離艦対空ミサイル16発、
SA-N-4短距離艦対空ミサイル連装発射機2基、
SS-N-19艦対艦ミサイル20発、
CADS-N-1近接防御システム6基、
RBU1000 6連装対潜ロケット発射機2基、
RBU12000 10連装対潜ロケット発射機1基、
533mm5連装魚雷発射管2基である。
艦載航空機は
カモフKa-27ヘリコプター3機
である。
スラヴァ級艦隊防空ミサイル巡洋艦は
1番艦が1982年に就役し、
太平洋艦隊には、011「ワリヤーグ」が配備されている。
スラヴァ級艦隊防空ミサイル巡洋艦は
満載排水量11490トン、
ガス・タービン推進、
130mm連装砲2門、
SA-N-6艦対空ミサイル64発、
SA-N-4短距離艦対空ミサイル4発、
SS-N-12艦対艦ミサイル16発、
30mm近接防御武器システム6基、533mm5連装魚雷発射管2基、
12連装対潜ロケット発射機2基、
搭載航空機は
カモフKa-50ヘリコプター(NATOコード:へリックス)
で、対空戦能力とともに、対艦戦能力が非常に重視されている。
ソブレメンヌイ級艦隊防空ミサイル駆逐艦は
1番艦が1980年に就役し、
18隻が就役した。
満載排水量8067トン、
蒸気タービン推進、
兵装は
130mm連装砲2門、
SA-7艦対空ミサイル単装発射機2基またはSA-N-12艦対艦ミサイル単装発射機2基、
SS-N-22艦対艦ミサイル8発、
30mm近接防御武器システム4基、
533mm5連装魚雷発射管2基、
搭載航空機は
カモフKa-27ヘリコプター1機
である。
SS-N-22艦対艦ミサイル(NATOコード:サンバーン)は、
マッハ2のスピードで巡航し、迎撃されにくいよう超低空をS字状に飛行するもので、
西側諸国の最新鋭迎撃システムでも迎撃困難である。
ソブレメンヌイ級艦隊防空ミサイル駆逐艦の攻撃能力は高いが、基本設計は1970年代のもので、電子戦装置など電子装備は古い。
ウダロイ級駆逐艦は、
1980年に1番艦が就役し、
13隻が就役した。
そのうち半数が太平洋艦隊の所属である。
満載排水量は8500トン、
ガス・タービン推進、
兵装は
100mm単装砲2門、
SS-N-12艦対潜ロケット16発、
SA-N-9短距離艦対空ミサイル64発、
30mm近接防御武器システム4基、
12連装対潜ロケット発射機2基、
533mm4連装魚雷発射管2基、
搭載航空機は
Ka-27ヘリコプター2機
である。
対潜戦に重きを置いた艦で、個艦防空に非常に力が注がれている。
カシン級駆逐艦は
満載排水量4826トン、
ガス・タービン推進、
兵装は
SA-N-1艦対空ミサイル連装発射機2基、
SS-N-25艦対艦ミサイル4連装発射機2基、
76mm連装砲1基、
RBU6000 12連装対潜ロケット発射機2基、
533mm5連装魚雷発射管1基で、
搭載航空機は無い。
20隻が建造された。
クリヴァック級フリゲートは
1970年に1番艦が就役し、
41隻が建造された。
満載排水量は3560トン、
ガス・タービン推進、
兵装は
100mm単装砲1門、
SA-N-4短距離艦対空ミサイル連装発射機1基、
12連装対潜ロケット発射機2基、
533mm4連装魚雷発射管2基、
30mm近接防御武器システム2基
である。
小型艦ながら対潜装備と個艦防空は充実している。
ネウストラシムイ級フリゲートは、
満載排水量4318トン、
ガス・タービン推進、
兵装は
SA-N-9短距離艦対空ミサイル32発、
SS-N-25艦対艦ミサイル8発、100mm単装砲1基、
CADS-N-1近接防御システム2基、
RBU12000 10連装対潜ロケット発射機1基、
533mm5連装魚雷発射管4基、
搭載航空機は
カモフKa-27ヘリコプター1機
である。
グリシャ級フリゲートは
満載排水量1219トン、
ディーゼル推進、
兵装は
SA-N-9短距離艦対空ミサイル発射機1基、
57mm連装砲1基または76mm単装砲1基、
30mm近接防御武器システム1基、
533mm4連装魚雷発射管2基、
RBU6000 12連装対潜ロケット発射機2基
である。
94隻が建造された。
ゲパルド級フリゲートは
満載排水量1961トン、
ディーゼル・ガスタービン推進、
兵装は
SA-N-4短距離艦対空ミサイル連装発射機1基、
SS-N-25艦対艦ミサイル8発、
SS-N-30巡航ミサイル8発、
76mm単装砲1基、
CADS-N-1近接防御システムまたは30mm近接防御武器システム2基
である。
搭載航空機は無い。
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